フランス・イタリア・スイスの三国をまたぐヨーロッパアルプスの名峰モンブランを一周する極上のロングトレイル「ツールドモンブラン」。世界的に有名なこのルートを歩くために、まさに世界中から、多くのハイカーが訪れます。

そんな世界のハイカー達との一期一会の交流は、TMBを歩く楽しみの一つだと思います。

今回は、以前にツールドモンブランに関するご質問をいただいたN様から、実際に歩いてきたご報告をいただきましたのでご紹介します。

景色の素晴らしさを語る時って、誰もが本当にいい顔をする

『お世話になります。
以前にツールドモンブランの質問をさせていただきましたNです
おかげさまで無事歩くことができました。
お礼とご報告をと思いましてメールさせていただきました。山小屋の予約が思ったより大変でしたけど、出発前にはなんとか予約することができました。
山小屋では世界中からのハイカーとお話ししたり、景色の感動を共有できたりと、心癒される時間を持てました。
景色の素晴らしさを語る時って、誰もが本当にいい顔をするなあと、そちらにも感動してました。今回3回目と話していたスウェーデンの方は、歩く度に雪の量や川の水の量など違って毎回景色が違うから面白いとのことでした。
ぜひまた歩きたいものです。
そして、もっともっといろんなところを歩いてみたいものです。
今回は桜井さまのホームページに大変お世話になり、勇気をいただき、助けられました。本当にありがとうございました。
また、チロルとかを歩く機会など持てましたらまた質問させていただくかもです。』

N様、ご報告ありがとうございます!

ソロでの旅から無事に戻られたこと、そしてツールドモンブランで素晴らしい体験ができたみたいで、大変うれしく思います。このような旅の直後の生の感想を聞いて、私自身もまた猛烈にツールドモンブランを歩きたくなってしまいました。困りましたー笑

世界中から訪れるハイカー

私のツールドモンブランの旅の中でも、スイス、ドイツ、スロベニア、スペイン、ルクセンブルク、英国、ロシア、オーストラリア、韓国、中国、日本などなど、世界各国のハイカーと出会い、お話する機会がありました。

“世界中からのハイカーとお話ししたり、景色の感動を共有できたりと、心癒される時間を持てました。景色の素晴らしさを語る時って、誰もが本当にいい顔をするなあと、そちらにも感動してました。”

そのとおりですねー。美しい景色をみたときの感動は全国共通ですね。そしてTMBのけ景色の中を歩いている時間は、景色や空気に身も心も浄化されているかのようでした。

TMBのハイカーは、基本的にはみなさんコースに沿って1周しているので、話題は各々の行程についてだったり、その日に見た景色の話、自国のハイキングスポットの話等で盛り上がります。

明日の宿泊先は、、、

明日の天気は、、、

TMBの見どころはここで、、、

今日見たあの景色はすごかった、、、

また、TMBの山小屋の夕食は、大皿に盛られた料理を同じテーブルのゲストが各々取り分けるスタイルが多いので、会話は自然に始まります。

奇跡的にも、同じ年、同じ時期に、同じ旅行先を選び、同じ景色を見ながら歩くハイカー同士。これだけ共通していたらもうお友達のようなものです。

山小屋スタッフの音楽演奏を聞いたり、同テーブルのみなさんとシェアしたワインを飲んだり、私もN様と同じくソロで歩きましたが、寂しい夜はありませんでした。

山小屋だけでなく、トレイルの途中で追い越すとき、山小屋での昼ごはんのとき、立ち止まって写真を撮っているときなど、様々な場面でハロー、ボンジュール、ボンジョルノの挨拶とともにさわやかな出会いと会話が繰り返されます。

N様はメールでのやり取りのなかでこのようにも仰っていました。

“実際、世界中のハイカーとは平和で心暖まる交流ができました。
それに皆さん、一期一会の達人さんかも。
実にさらりと出会ってさらりと別れましたし。”

これはまさに私も感じていたことです!

ハイカーと気軽に声をかけあい、またそれぞれの行程に戻っていく。
なんともさわやかな一瞬の交流がたくさんあった気がします。

ソロであっても、孤独ではない。それがTMBの旅だと思います。

世界のハイカーからトレイルの楽しみ方を学ぶ

私は、TMBの旅で出会ったハイカー達の姿から、トレイルの旅の本当の楽しみ方を学んだ気がします。

トレイルの途中、景色の良いところを見つけるとのんびりと昼寝を始めた英国のハイカー達。彼らを見ていると、きっちり1周することを最低限の目標に、きつめのスケジュールを組んで急ぎ足で歩いていた自分がバカらしくなりました。(前夜の山小屋で大酒を飲んでいる様子は、ワールドカップのイングランドサポーターを思い出してしまいましたが笑)

Tour du Mont Blanc

TMBの旅は、毎日が素晴らしい景色の連続です。そんな中で、「1周」という達成感を求めて前だけをみつめてしまっては、なんとももったいないです。

気に入った場所で立ち止まりながら、何度も後ろを振り返りながら、山小屋でのんびり一杯やりながら、今自分がいる場所を味わい尽くしながら、『行けるところまで行ければいいや。』と、途中からはそんな考え方で歩いていました。

旅の形も人それぞれ

多様なハイカー達は、その旅の形や思いもまた多様です。

TMB最高点のフォルス峠で写真を撮ってもらったドイツの夫妻は、TMBのようにツアー(周回する)形式になっているトレイルは欧州でもめずらしいと教えてくれました。

ボンノム小屋で昼ごはんがお隣だったおじいさんハイカー。地元スイスから逆周りで歩いてきたとのこと。これから先、まだまだ山歩きを楽しめるぞ、と語ってくれているようでした。

オーストラリアのにぎやかなグループツアーのチームは、ソロで歩いている自分を見て「ひとりで来るなんてすげえな!」と気さくに話しかけてくれました。

TMB1周のトレイルレース「UTMB」を完走してきたというスロベニアのおじさんは、夜間に走り抜けてしまった場所の景色を見たいから、という理由でもう1周歩いていました。世界には鉄人がたくさんいます。

この他にも、2夏かけて半分ずつ歩いて1周しているという日本の老夫妻がいました。体力や休暇期間が足りなければ短い区間に区切るのもいいですねえ。

韓国の若いカップルは、自国で山歩きをするのは年寄りばっかり!、と嘆いていました。

地元ジュネーブから週末山小屋泊を楽しむスイスのお医者さんカップルもいました。

ロシアの寡黙な青年は、早朝のボナッティ小屋でひとり外に出てコーヒーを飲みながら朝焼けのモンブランを眺めていました。

みなさん、実に様々な考えをもってツールドモンブランを楽しんでいますねー。

ソロの旅、いかがですか?

もしも、、、TMBに興味はあるけどツアーや同行者が見つからなくてあきらめかけている方がいらっしゃいましたら、ぜひ、ソロで行くことも検討してみてください。現地では、我々と同じようにTMBに魅せられたハイカー達がきっと暖かく迎えてくれると思います。

そして願わくば、ゆったりとした行程であの素晴らしいトレイルを堪能していただければ思います。

では、良い旅を!

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